:ある男性の、ある女の子分析―――学年トップ、ライト編(第一章時)








僕が彼女について知ってることといえば・・・本当に少しだけどね?



彼女とはクラスが違うから、初めて彼女を知ったのは高校に入って初めての中間テストの時。

僕がトップだということは当然だとして、彼女はすぐ2番手につけてきたんだっけ。




飄々としてて、勉強なんてしなさそうだけど、頭の切れる女子生徒。




英語も数学も理科も社会も見事に満点で。

ただ、苦手なのか国語だけは少し低めの点数。

それでもそんなこと気にしてはいなさそうだった。




それから、僕と彼女の接点は少しずつ増えていった。

人見知りしないらしい彼女は3度目くらいの会話でもう、僕のことを「ライト」と呼び捨ててくれたしね。

だけどそれでも僕は反発なんて覚えなかった。

彼女の素直な雰囲気が少しだけ気に入ったからそれを許し、僕も彼女のことを呼び捨てで呼ぶようになった。




彼女は僕のことを外見で騒ぎたてる、煩い女生徒たちとは明らかに違っていた。

裏表のなさそうな屈託のない笑顔でいつも声をかけてくれる。

おまけに賢い。冗談の中にもエスプリの効いた会話は途中で詰まったりすることはなくてちっとも飽きない。





お互いを高めていける、いい意味での『友達』が初めてできたと思った。





ただ、いつも授業が終わったら急いでどこかへ消えていくのは少しだけ気になってる。

一緒にカフェにでも行っていろいろ話してみたいと思ってるんだけどね。


ついこの前なんて、いきなり真顔で「イギリス行かなくちゃ」なんて言われたから、呆気に取られてしまったよ。

本当に不思議な子だ。




特に深い意味はないよ。

女たちは「夜神 ライトにとうとう本命が」と騒いでるみたいだけど。

彼女のことをそんな目では見ていない。少なくとも、今はね。





ただ、彼女と一緒にいると退屈はしない。

僕も自然と笑みがこぼれてくる。

これだけは確かだよ。